新しい日本人

窓を開けると京都の北山の峰々が見える東山仁王門に、僕たちの新しい居場所「情報センターISIS」が誕生しました。ここで何を始めようとしてるのか、ふと考えてみました。先日、ある若者と語り合う機会がありました。
「僕 はひきこもりじゃないんです」と彼は僕に何か言いたそうに。「ふーん、そうなの」と僕は答えました。「実は山田さんにしかこんなこと言えないんだけど、僕 たちは新しいタイプの日本人なんです」と彼。僕は「そうか、新しい日本人のタイプなんだ」。心の中では「なるほど、そうだったんだ」とふと合点するものが ありました。
5年ほど前に「社会的ひきこもり」という言葉で多くの若者たちが社会の中に存在していると広く社会に知られるようになりました。その言葉によって自分たちの存在が「社会的ひきこもり」なんだと思い、家族との葛藤・悩みが癒された人も少なくありませんでした。
し かし現実の多くは、その言葉さえも受け入れることもできず、苦しんでいる若者たちのほうがはるかに多いことを知ってほしいと思います。彼もその一人でし た。今必要なのは、既存の社会の価値観よりも新しい生き方を求める価値観を模索し考えることが大事なんだと、彼の言葉から痛感するようになりました。多く の若者を苦悩と混乱におののく状態に追い込んだのは、新しい生き方をする理念・価値観を彼らが作り上げようとする、少なくとも幸福感を感じる価値観に対し て家族およびサポートする人たちの支援が少なかったのだろうと思います。
エジプトの再生の女神「ISIS」と同じ名のセンターで、僕たちの新しい試みとして、ともに新しい生き方を模索できる情報の発信の拠点となれば、この場所の立ち上げに参加した一人としてこんな幸いなことはないでしょう。
編集部